今年52歳、清掃の仕事をしている男性のお悩み「生きた証みたいなものを残したい、そんな欲があるのは贅沢なのか？」

先日、ある男性からこんな相談をされました。

「大手不動産会社の指定業者として請負契約でアパートやマンションの共有部分を清掃する仕事をしている。今年52歳。自分の仕事に誇りを持っているが、この年になってまでこんな仕事をしている自分が情けなく感じることもある。生きた証みたいなものを残したい、そんな欲があるのは贅沢なのか？」

私はこんな話をしました。

＜回答＞

もし神様がいるとしたら、神様は尊い仕事をしている人を見ているはずです。見かけの華やかさ・どれだけお金を稼げているか・社会的な成功に値するかどうか…などと全く関係なく、純粋にその人の仕事がどれだけ尊いかといったところに注目しているでしょう。

この世で死んであの世に入った時、仮に通知表のようなものが渡されるとしたら、その評価基準はこの世の評価基準とはちょっと異なるはずです。この世で高く評価されていることが、あの世では高く評価されない。逆に、この世であまり評価されていないことが、あの世では高く評価される。そんなこともあり得るのではないでしょうか？

この世の（俗世間の）妙なフィルターがかかっていない分、あの世では純粋に評価されると考えるのが妥当でしょう。そう考えれば、あなたはこの世での基準に惑わされなくなるはずです。この世で成功とされていること、こうあれば成功！と思われていることに当てはめるような生き方ではなくて、あなた自身のハートに素直に正直に従った「あなたの中での成功」を生きるようになるでしょう。

あの世の話を別としても、実際、この世の中で生きている人の中には、社会的成功とは縁遠い人でも魅力的な人がたくさんいます。収入が少なくても、社会的地位が低くても、定職についていなくても、こういう人こそ成功者だ！と思えるくらいとてつもなく魅力的な人がたくさんいるものです。その人たちと一般的に成功者と呼ばれている人たちを比べてどちらが本物の成功者なのか？と問われたら私は正解を出す自信がありません。どちらも成功者だし、どちらも生きているのですから。

生きるという事は尊いことです。その尊いことをやってのけている人は誰でも素晴らしく、誰もが成功者に値します。ですから、一般的に成功者と呼ばれている人も一般的には成功者と呼ばれていないけれども実はこういう人こそ成功者なのではないかと思える人も、両方とも成功者だと思うのです。そうである以上、どちらが本物の成功者なのか？という問いにはなかなか答えられません。

さらに言えば、魅力的でない人、特に何の取り柄もない人、怠けてだらだら生きている人、周りに迷惑ばかりかけて生きている人…なども成功者と呼べるでしょう。先ほどお伝えしたように生きるという事は尊いことです。その尊いことをやってのけて生きているのですから、その人は素晴らしく成功していて成功者としての人生を歩んでいるのです。

ここからは受け入れ難いかもしれませんが、過去に悪いことをした犯罪者と呼ばれるような人でさえ成功者と呼ぶことができます。その人は生きているのですから。生きるという大変な仕事をやってのけて生きているのですから。その点では成功者なのです。

少し話がそれますが、この世界で生きる人間はドミノ倒しのように連続性で生きています。

例えばあなたが今ハンバーガーを食べていたとすると、あなたはなぜハンバーガーを食べているのでしょうか？少し前にお腹がすいたからですよね。ではなぜ少し前にお腹がすいたのでしょうか？その前に体を動かしたからですよね。ではなぜ体を動かしたのでしょうか？その前に何か体を動かす必要があったからですよね。そんなふうにさかのぼっていくと自分が連続性で生きていることがよくわかるはずです。

つまり、現在の自分はドミノ倒しの連続の最先端のようなものだということ。自分の意思で生きているように見えますが、実は今までのドミノ倒しの勢いで倒れる方向が決まってるようなもので、あらかじめ決まった今を生きていると言っても過言ではないのです。

そう考えるとは悪人に対しても違った見方ができませんか？

彼らは今までのドミノが真っ黒なのかもしれません。幼い頃に親から虐待を受け、それが原因で心がねじ曲がり、攻撃的な性格が形成され、攻撃的な性格が形成されたおかげで誰からも相手にされず厄介者扱いされ、その孤独が原因でどうしようもなくなって悪い人間とつるむようになり、悪い人間とつるむうちに悪いことを覚え、結果的に犯罪にまで手を染めてしまったのかもしれないのです。途中で運良く素敵な出会いがあって誰かから助けられる人もいますが、その犯罪者には幸運が訪れず、不運なことばかりが続いていたのかもしれません。人生をドミノ倒しに例えるなら、生まれた時から真っ黒のドミノばかり。まっとうな道から外れた方向に傾いたドミノばかり。そんな人生を送っている人が最終的に犯罪者となったとしたら、誰を責めればいいのでしょうか？何を責めればいいのでしょう？そこまで思いを巡らせていくと、人の人生を安易に非難することはなくなるでしょう。

もちろんこれは犯罪者だけではありません。あなたの人生もドミノ倒しのようなもので、連続性で続いています。ですから今のあなたも自分の意思で生きているようで実は今までのドミノの連続の転倒に背中をされるようにして生きているのです。

そう考えると、流れに身を任せてみようと思いませんか？

あなたがどれだけがんばってもがんばらなくても今までの連続性が今を決めているのですから、余計な足掻きをやめてリラックスしてできることです。面白いもので、そうして流れに身を任せてリラックスしていけるようになると、かえって理想的な人生になるものですよ。ドミノ倒しの連続に余計な歪みが加わらなくなるので、脱線を避けることができ、最短コースで幸せになってしまうのです。もちろん、今あなたが気にしている一般的な成功という概念にも近づきやすくなるでしょう。

少し気になったのはあなたの52歳という年齢に対する見方です。

もしかしたら、あなたは52歳という年齢を年老いた年齢と認識しているのかもしれません。その認識は自由ですが、認識が人間を作ることも覚えておくと良いでしょう。

あなたが「52歳とは年老いた年齢だ」と思っていたら、その通りに年老いた年齢の自分になろうとします。52歳だからといって老ける必要は無いのですが、あなたのマインドが「52歳→年老いた年齢→老けるのが当然」と指令を出すのでその通りに体中の細胞が老化に向かうんですね。

ですから逆に言えば52歳という年齢に対する見方を変えればあなたの体の状態ががらりと変わってしまうということです。既に老化してしまっていても全く遅くありません。人間の体は1年もしないうちに98%の原子を入れ替えますから、今年齢に対する見方を変えればこれから一年もたたないうちに若返っているでしょう。

世の中をじっくりと観察してみてください。52歳でも驚くほど若々しい人がたくさんいます。かわいそうになるくらい老けていた50代の人が1年もたたずに驚くほど若返った事例もあるでしょう。そういった情報にたくさん触れ、固定観念を変えていってください。年齢に対する見方が変われば変わるほど、あなたの体も細胞レベルから変わり始めます。

最後に。

あなたが生きた証は必ずどこかに残ります。どんな形かはわかりませんし、どれくらいの規模で残るのかは定かではありませんが、必ず残ります。だから安心してください。もし死ぬ時がやって来たら胸を張って死んでください。あなたのことを覚えている人は必ずいますし、あなたに感謝し、あなたの姿を悲しむ人も必ずいます。その人たちが、あなたが生きた証となってくれます。

わかっています。あなたが相談したい事はそういうことじゃないんですよね。欲としての、生きた証。ですよね。

その欲は原動力にすればいいんじゃないでしょうか？52歳なんてまだまだ若いのですから、できることはたくさんあります。生きた証を残すぞ！そのために何かするぞ！という原動力にすれば、その欲はプラスに作用するはずです。

ただ1つ覚えておいていただきたい事は、生きた証は計測不可能だということです。世界中の出来事を一目で俯瞰できる神様のような存在なら計測できるかもしれませんが、そんな人はこの世には存在しませんので、誰の生きた証がどこにどれくらいの規模で残ったのか、計測できないんですよね。どこの誰があなたを覚えていて、どこの誰があなたにどれくらい感謝してるか、その全体はわからない。簡単に言えばそういうことです。

もちろんあなただけではありません。どんな有名な人でも、どんなに社会的地位が高い人でも、その人の生きた証がどれくらい残るのか、どんな形でどこに残るのか、それは計測不可能なのです。ですから、必要以上に大きな生きた証を求めようとして苦しくなったら、そのこと思い出してください。誰の人生でも生きた証は計測不可能なのだ、と。

あなたの幸せな毎日を願っています。少なくとも私はあなたのことを覚えているし、あなたのことを愛していますから、そのことを忘れないでくださいね(*^-^*)

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SENA

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